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架台

新築でソーラーパネルを設置したり、屋根とパネル一体型のものを設置するとあまり気づくことのない存在の「架台」。

しかし、通常は屋根にソーラーパネルをそのままくっつけることはしませんので、(パネルと屋根一体型のもの以外では)どのような屋根であってもソーラーパネルの設置には架台を必要とします。

既存の屋根にソーラーパネルを設置する際にはパネルそのものの重量と、この「架台の重量」も考えてパネルを設置することになるので、パネルだけの重量だけをみて「このパネルにした!」というわけにはいかない時があります。

というのも、ソーラーパネルの設置で屋根の重量が重くなると、それはそのまま「家の耐震性」に関わってくることになるからです。

では、ソーラーパネルを設置する際に登場するこの「架台」はそもそも何のために必要で、またどのような種類のものがあるのでしょうか?

ソーラーパネルと架台の関係とは?

そもそも、ソーラーパネルを住宅に設置しようとした場合、その設置場所は通常「屋根」が選ばれますよね。

しかし、屋根と言うのは本来は「ソーラーパネルを設置するため」にあるものではない、ということは自明のことです。

ですから、屋根の本来の用途を超えて、ソーラーパネルまで設置しようとすることはできません。

屋根単独ではソーラーパネルを支えることはできないからです。
そう、架台というのは、屋根に取り付けられるソーラーパネルを「支える」ために取り付けるものなのです。

そして、屋根と言うのはそれぞれの家によって形状が異なります(切妻屋根・寄棟屋根など)。加えて、各住宅で屋根に使用されている屋根材も異なります。
⇒ソーラーパネルと屋根の関係についてのページはコチラ

同じ切妻屋根と言う形状の屋根でも、瓦葺きの屋根と、スレートの屋根では使用する架台も異なります。
これは、屋根の形状と屋根材の種類だけでなく、屋根のこう配角度によっても違いがでてくるので、どのような架台が必要かというのは専門家の判断が必要になります。

屋根のこう配角度(またその屋根への日照度合など)で必要な架台に違いが出てくるというのは、ソーラーパネルの役割である「より太陽光を浴びて発電できるようにする」ことに関わってくるからです。

ソーラーパネルと架台と重量、そして耐震性

ソーラーパネルを新築の住居に設置する場合は、端から屋根に取り付ける太陽光発電に関わるシステム一式について、設計の段階から考慮されるので、ソーラーパネルを設置した際の耐震性についても計算されたうえで取り付けられます。

しかし、既存の住宅にソーラーパネルを設置する際には、ソーラーパネルなどの重量によってそもそもの設計で考えられていた耐震性が変わることになります。

現在のところ、ソーラーパネル1枚の重量と言うのは約15〜18kg(1枚で200W程度の発電容量)といったものが多いですね。
これをkWで考えると、1kWあたり約75〜90kg前後というのがソーラーパネルの重量相場です。
そしてこのパネルの重さに架台の重さが加わって、大体1kWあたり100kg前後の重量になります。

一般的な住宅では大体4〜6kW分の発電量を考えてソーラーパネルを設置するので、屋根に新たにかかる重みは、架台を含めると400〜600kgという重量が新たにかかってくることになるのです。

これは相当な重量のアップと言えるでしょう。

ただ、太陽光パネルを設置するというのは、一点に集中してパネルを設置するわけではないので、この重みも屋根全体に分散することになります。
ですから、実際には1㎡あたり20kg程度の重みがかかっていると考えると良いかもしれません。

これは幼稚園児〜小学校低学年くらいの子どもが1㎡ずつで寝転がっている感じを想像するとわかりやすいかもしれませんね。

けれども、総重量としてはやはり多くの重量がかかっていることになりますし、その重量がかかった状態で最初の設計がされているわけではないので、設置後の耐震性が心配だという人は耐震診断を受けることをおすすめします。

架台の工法にも色々な種類がある

架台と重量についてここまで解説をしてきましたが、一言に架台と言っても、種類は様々です。
これまでのソーラーパネルの設置工事というのは、架台の設置のために屋根に穴を開けるものが主流でした。

この工法は、簡単に取り付けられる一方で、作業者の腕によっては、シーリングの埋め合わせがしっかりできていなくて雨漏りをする危険性も多分にはらんでいました。

しかし最近では、屋根に穴を開けなくても取り付けられる架台や工法もでてきているので、ぜひ参考にしてください。

雨漏りのリスクを超軽減!!「シンプル・レイ工法」

ソーラーパネルのCMなどを見ていると、良く耳にする「シンプル・レイ工法」は、(株)オルテナジーの開発した工法で、屋根を両側から挟み込むような「への字型」に近い架台を、軒下の壁面にワイヤーで固定する方法です。

この工法を利用すると屋根の雨漏りリスクをグッと減らすこと可能になりました。
しかも、これまで取り付けが困難と言われた傾斜のキツイコンクリート屋根への施工もできるようになりました!

全メーカーのパネル対応!「マグソーラーシステム」

栄住産業が発売をしている架台で、理屈はシンプル。
着磁補強版(つまり磁石のついた板ということ)をエポキシ接着剤と粘着テープで屋根に取り付けます。

その上に、マグネットを取り付けたソーラーパネルを設置するのです!うん!シンプル。

この方法なら確かに、どのメーカーのソーラーパネルにも対応できますよね。

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Panasonicが世に出したテクノストラクチャー専用屋根材 「機能屋根システム」

こちらは架台設置で屋根に穴が開かないと謳われているのですが、実は屋根そのものをソーラーパネルにしてしまいましょう!というもの。

確かにこれなら「屋根に穴を開けること」はないかもしれませんが、屋根の葺き替えが必要なので工事が大体的になりますよね。
ただ、屋根全体がパネルになるので、発電量は多くできます!

防水加工後に設置するエネブリッド

アーキヤマデという太陽光システムなどを取り扱う会社が取り扱っているこの工法は、防水加工をした屋根の下地に架台の基礎とする円筒形の器具を取り付けるものです。
この円筒形の器具にパネルを設置していく(この設置方法には数種類あります)ので、屋根に穴を開けることはありません。

この方法は架台の軽量化がされているので、設置したいというパネルの重量が重いという時に良いかもしれまんね。

金属屋根に特化したキャッチ工法

これは金属屋根専用の取り付け架台になります。専用の取り付け金具で金属屋根材を挟んでボルトで固定します。

架台は実はDIYもできちゃう!?

ソーラーパネルの画像004

さて、世の中には色々とDIYでやってのけてしまう強者がいますが、実はソーラーパネルの設置もDIYでやってしまう人がいるのです!

……と言っても、さすがに屋根への取り付けは難しいので、そうした人は自宅駐車場の屋根の上だとか、空いているバルコニーや使用していない自宅隣の畑などにつけているようです。

ソーラーパネルはパネルのみでも購入することは可能なので、遊んでいる敷地があるなら太陽光発電システムを設置して売電をするのも良いですよね。

ただし、自宅の空いた敷地で自作のソーラーパネルを取り付けた場合は、商用の配線と自作パネルから引きこむ配線は「絶対に」別にしておくことが大事です。
これは、昔、自家発電をした電力を商用電源につないだことで事故が頻発したことで、商用電力と自家発電した電力をつなぐことを禁止した法律が制定されたからです。

もし、自作のソーラーパネルで発電した電力を、通常の配線につなぎたいという場合は、専用の器具を取り付けるなどというひと手間が必要になります。

実際にソーラーパネルを導入するとなった場合の流れは?⇒