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資源は無料で発電の際にCO2や環境に悪い物質を排出しない、しかも光熱費もカットできて売電もできる、極めつけは災害時の非常用電力にもなる…。

これが太陽光発電のメリットでよく挙げられる言葉です。

確かに太陽光発電は、これらの言葉に表されるようなプラスの面をもっていますが、反面、実は他の発電方法(火力や原子力など)と単純に比較すると、発電効率が低いという面も持ち合わせています。

国内メーカーで発電効率が1番高いものでも20%をやっと超えたという状況です。

しかもこの発電効率は、経年で下がったり、他の要因で最大値まで発揮できない事はよくある話なのです。

では、できるだけ発電量を増やし、発電効率を上げるためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここではこの点についての方法を裏技含めてご紹介します。

知っておきたい!「太陽光発電が『発電方法の主流』になれない」ワケ

冒頭でも述べましたし、皆様にも周知の通り、太陽光発電というのは、ソーラーパネルを設置するという初期の設備投資と、それにかかる初期費用の投資は必要ですが、それ以上に発電のための原料購入費などは必要ありません。

火力なら石油や天然ガスが必要ですし、原子力は事故の際はもちろん、通常運転をして将来廃炉になった際に、放射性廃棄物の問題が大きく横たわってきますよね。

それに対して太陽光発電は、原料は太陽光ですし、発電の見返りに何か有害な廃棄物や排出物があるわけでもありません。
環境に関してはかなり優しく発電を続けられる方法です。

それなのに、日本はもとより、環境先進国の多い欧州の国々でも太陽光発電は国の基幹発電にはなり得ていません。

その理由は、「24時間365日の連続発電ができる技術がまだ確立されていないから」です。

そう、太陽光発電は太陽光を原料とするため、基本的には「晴れた日の昼間」にしか大きな発電ができないのです。
もちろん現在のソーラーパネルは曇りの日でも全く発電できないということはないのですが、もとより13~20%ほどしかない発電効率は、天候によって大きく左右されることが「多すぎる」のです。

また、現在のところ、太陽光発電で得られた電力は蓄電する技術が確立されていません。

ですから、もし世界各国のそれぞれの家庭でソーラーパネル設置が基本であったとしても、昼間はみんな発電していて電力は余り、一方夜はみんなが発電しないから太陽光発電からの電気に頼れず、結局火力などの電気を使うという「アンバランス」が引き起こされてしまうというわけなのです。

産業用でも、現在のところでは、なるだけ変換効率の良いソーラーパネルを、大規模な土地に置いて大きく発電をするということに留まってしまっているというわけです。

もし、宇宙空間にソーラーパネルを置くことが出来、そこで発電ができるような技術が確かなものになれば、また発電した電力を安全に地球に送る技術が確立されれば、産業用などの電力は太陽光発電に切り替えられることも夢でありません。

家庭用の太陽光発電システムで発電量を上げるためには

家庭用のソーラーパネルと言うのは、規格が柔軟ではないので「○○をしたら発電効率ぐーんとアップ」というような技はたくさんはありません。
しかし、これからご紹介することを続けると、最終的には何も対策を打たなかった時より、ソーラーパネルの経年による効率低下などを少なく済ませることが多いと言えます。

屋根の形に合わせて最大限採光できるようにする

ソーラーパネルを設置する際に、価格や仕様と同様、いや実際はそれ以上にしっかりと研究しておく必要があるのは「自宅の屋根状況」です。

うちは屋根は広いからソーラーパネルは余裕で設置できるだろう、と考えていても、1日のうちに充分な太陽光の確保ができなければ、そもそもソーラーパネルを設置することさえできなくなるかもしれなしのです。

また、ソーラーパネルの設置と言うのは水平から30度程度(地域により異なります)の傾斜をつけて設置するとより効率よく採光ができると言われています。

屋根が水平な家であれば、この傾斜をつけるのは難しくありませんが、多くの住宅のように既に屋根に傾斜が付いている場合は、どのように設置すると1番効率よく採光・発電できるかを研究しておく必要があります。

傾斜角度を10度抑えただけで(つまり20度にするということ)4%程度、発電量が違ってくるという報告もあります。

他にも、これから家を建ててソーラーパネルも一緒に導入しようという人は、屋根の向きにはこだわった方が良いでしょう。
南向きにはバルコニーやベランダを大きく取りたい!とすると、南向きの屋根の面積が狭くなることも考えられます。

そうなると、せっかく陽当たりの良い家でも、自分の理想通りの発電量は得られない場合もありますので。

既存の家にソーラーパネルを設置しようという人は、「初期投資費用>パネルの耐用年数内で得られる利益」になるなら、そもそもソーラーパネルの設置は再考の余地ありになりますからね。
しっかり自宅の環境と状況、ソーラーパネルを設置したことで得られる利益率を考えて購入・設置に踏み切りましょう。

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ソーラーパネルのメンテナンスをこまめにする

ソーラーパネルは設置したらノーメンテナンスでOKと思っている人も少なくないのですが、そうではありません。

ソーラーパネルの国税庁発表の耐用年数は17年。メーカーもほとんどは10~20年保証です。

つまりソーラーパネルは故障があり、経年によって他の家電と同じく劣化していくということ。
ソーラーパネルの寿命と、高効率での発電を維持したければ、メンテナンスはこまめに行い、異常や疑問があればすぐにメーカーに問い合わせるというのが大切。

特に台風やヒドイ黄砂などの後で落ちた発電量が、その後も落ちたままだとそれはソーラーパネルにゴミが付いている・汚れている、もしくは何らかの異常で故障していることも考えられるからです。

ですから、ソーラーパネルのメンテナンスや定期点検は面倒くさがらずにしっかり行うのが◎ですよ。

発電量のモニターチェックを怠らない

これはソーラーパネルのメンテナンスにも繋がるのですが、日々の発電量のチェックをしっかりと続けることで、小さな異常にも早く気付けるようになり、発電量の低下を防ぐことができるようになります。

これはモニターチェックをするから発電量を上げられる、というものではありません。
しかし、できるだけ日々の発電量をチェックしておいたことで、大きな故障やトラブルを防げたことによって、15年後などに新しいパネルに取り換える際、結果的にみると発電量を大きく低下させなかったことで、得をすることができるのです。

モニターチェックなどを行わず、ちょっとした故障に気付かないままの人が、同じ機種のソーラーパネルの発電量を最終的に10%落としていたとしたら、モニターチェックをしていた人はズボラ人より10%も発電量が多いことになりますからね。

相対的に見ると発電量を上げているのと同じとも言えるのです。

パネルのコーティングをする(裏技)

これは誰でもができることではないかもしれませんが、やれば汚れがつきにくくなるのでソーラーパネルの発電量を減らさずに済みます。

産業用のソーラーパネルなどはこれに加えてソーラーパネルの向きを太陽に追従させるとか、酷暑で気温が一定以上になると自動散水をしてパネルの温度を下げるという対策をしているところもあります。

産業用だと、そうした策を講じることで30%近く、何もしないでいるより発電量が上がることがあるそうです。

しかし、住宅用のソーラーパネルでできるのは、パネルにコーティングをする程度のこと。

車で言うというところの「汚れがつきにくいワックスを塗る」ような感覚です。
もし傾斜が緩やかな屋根で作業がしやすいとか、傾斜のない屋根(陸屋根)で屋根に出やすいなどという条件の人は試してみる価値はありますよ。