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今現在、家を新築しようとすると、ソーラーパネルを設置しておくかどうかというのは、当たり前の選択肢として持ち上がります。
そして、どうせ家を建てるなら、より性能の良い家にしようとか発電した分を売電にまわすことができたら…ということも考えソーラーパネルを設置するのは良くあることです。
しかし、既に住んでいる家にソーラーパネルを付けるとなると「結構高そうだしな…」とか「売電できても元が取れるかわからないよな…」と躊躇することも多くなります。
では、2015年現在、ソーラーパネルを設置することにかかる費用は一体いくらくらいが相場になっているのでしょうか?
ソーラーパネルの設置費用にはどんなお金が必要なの?
まず、ソーラーパネルを設置したいと言っても、ソーラーパネルは通常の家電製品のように「電器屋さんで購入して、自分で設置して…」ということはできませんよね。
家電量販店に行くと、ソーラーパネルに関するブースがあってそこで相談をすることは可能になっていますが。
では、ソーラーパネルを設置しようとすると、どのような費用がかかってくるかというと、大まかには以下の3つの点に費用がかかります。
機器や部材の費用
ソーラーパネルの設置には、パネルそのものの費用だけでなく、パネルを屋根に設置するための接続用品や架台、配線ケーブル、パワーコンディショナ接続箱などの諸々の用品の費用が必要になります。
工事費用
ソーラーパネルは、設置しようとしている人が電気工事士などでない限り、専門家にお願いして設置してもらうことになりますよね。
ですから、ソーラーパネルを屋根に取り付ける設置工事費用や屋内外の電気配線を行う電気工事費用が必要となります。
各種申請・契約費用
通常の電気契約に関しては、各電力会社と使用にあたっての契約をしていることと思いますが、ソーラーパネルを設置すると、売電が可能になるので、売電を行うための契約を新たに結び直したり、メーターを売電・買電できるものに取り付け替えたりということが必要なため、そうした費用がかかることがあります。
実際にどのくらいの費用を考えればいいの?
現在はソーラーパネルの価格も少しずつ下がってきているので、それに伴って設置費用も一時期よりは下がってきてはいます。
しかし、それでも安い買い物とは言えないソーラーパネルの設置。
具体的な金額を挙げると、一般家庭でのソーラーパネルの設置にかかる費用の相場は次のようになります。
ソーラーパネルの販売価格
現在、日本国内において人気のあるソーラーパネルメーカーは12~13社と言われています。この13社のソーラーパネルを設置した場合、発電量1kw分のパネル設置費用の相場は26万~31万というのが直近の相場価格です。
大体、一般家庭に設置されるソーラーパネルと言うのは、4~6kWhの発電量を考えて設置されます。
どうしてこの「4~6kWh」という数値が出てくるのかと言うと…。
発電量というのはソーラーパネルの機種や地域、日照条件や気候によって変動するのですが大阪を例にした場合、大阪地区で南向きにソーラーパネルを設置すると、年間の予測発電量はおおよそ4200kWh弱とされています。
4人家族の場合には年間の消費電力量の平均は4500kWh弱と想定されていますので、ソーラーパネルでの発電で8~9割を電力を賄える計算になりますね。
そして、一般的に4人家族くらいだと、電力会社との契約アンペア数は30Aくらいまでです。
30Aというと、理論上は3000Wまでなら、電力を使用してもブレーカーが落ちませんよ、ということです。(実際には2500Wくらいまでの使用となると思いますが)
3000Wは3kWということですが、そもそもW(ワット)は瞬間的な電力量のことなので、一般家庭で瞬間的に3kWもの電力を使用することは考えにくいと思います。
通常使用電力量と言うのは3kWh(1時間当たり3000Wを使用するということですね。具体的には1000Wのドライヤーを1時間使用したら3kWhになります)と表現します。
これを踏まえると、一般家庭に設置されるソーラーパネルが4~6kWhの発電量を考えられて設置されるのがなぜか、ご理解いただけるかと思います。
こうしたことから、一般家庭でソーラーパネルを設置しようとすると、パネルの相場だけで(26万~31万)×(4~6kWh)=104万~186万くらいになるということなのですね。
これに、先述した工事費用などがかかってきますので、大体150万円くらいはかかってくると考えていると大きく外れないというわけなのです。
人気メーカーのソーラーパネル販売価格の相場
国内のソーラーパネルにおける主要メーカーは12~13社と言われていることは、先にもお伝えしました。
では、12社それぞれのメーカーにおけるソーラーパネルの販売価格の相場はどのくらいなのでしょうか?
メーカー:パネル型番:価格相場(2015年2月現在)※記載は価格の高い順
- 長州産業(CIC):CS-N233SJ01:34万5千円/kWh
- 京セラ:KJ200P-3CRCE:34万4千円/kWh
- ハンファQセルズ:Q.PEAK 260:32万円/kWh
- 東芝:SPR-250NE-WHT-J:31万7千円/kWh
- パナソニック:HIT244α:31万6千円/kWh
- シャープ:NQ-210AD:31万円/kWh
- サンテック:STP250S-20/Wdb:31万円/kWh
- 三菱電機:PV-MA2250K:29万3千円/kWh
- ハンファソーラーワン:SF160-24-1M200L-W:28万5千円/kWh
- ソーラーフロンティア:SF170-S:27万6千2百円/kWh
- カナディアンソーラー:CS6V-225MM:27万3千円/kWh
- トリナソーラー:TSM-205DC80.08:26万円/kWh
こうして値段だけ比較すると、1番高いCICのものと、トリナソーラーのものではおよそ8万円強の価格の開きがあります。
ただ、ソーラーパネルは価格だけで単純に比較ができないものでもあるのです。
というのは、そこには設置する場所の気候条件や設置面積の条件が大きく関わってくるためです。
狭い屋根で効率よく発電したいなら、パネルが高くても発電効率の良いものを選んだ方が、最終的にはお得になる場合もあるからです。
具体的に挙げれば、上記でご紹介したソーラーパネルにおいて、1番発電効率が良いとされているのは、東芝の「SPR-250NE-WHT-J」です。
その公称発電効率はなんと250Wで20.1%と言われています。
これは12社の中で最も発電効率の低いもの(ソーラーフロンティア社のもの、170Wで13.8%)の実に1.47倍(W数)、発電効率においては1.45倍にもなるのです。
計算だけで考えると、東芝のもので4kwh分のソーラーパネルを設置するとなると、パネルの費用だけで1kWhで31万7千円ですから4kWh分で126万8千円ということになります。
一方でソーラーフロンティア社のものだと、110万4800円です。パネルの費用だけだと16万円の開きが出てきます。
ただし、出力Wや発電効率を考えると、東芝のものの方が、昼間に発電できる量が多いので充分使用しても売電できる量が多くなることが考えられます。
つまり、使用電力に対する(今まで電力会社に支払っていた)使用料金も必要なくなり逆に売電によって、パネル設置にかかった費用の元を取り戻しやすくなるとも言えるのです。
今回ここでは各社ともに1種類パネルの値段のみをご紹介しましたが、同じメーカーでの色々な型番のパネルがありますので、予算と発電効率と、何より自宅の気候条件などに適したものを選ぶことこそが、賢いパネル選びができるコツになるでしょう。