この記事は約 3 分 7 秒で読むことができます。
太陽光パネルを一般家庭に取り付けることが普及し始めて、すでに10年以上経っています。
当時は新築時でなければ、値段も高く取り付けも大変だったソーラーパネルですが、今では既築の家に付けることも一般的になってきました。
取り付け費用や維持費も、普及し始めた頃に比べて安くなり、庶民にも手が届きやすくなっています。
しかし!それでもコンビニに買い物にいくような気軽さで取り付けられるようなものではないので、取り付けようと思えばそれなりに計画を立てる必要がありますよね。
では、現状、ソーラーパネルを設置すると、どのくらいで元が取れるのでしょうか?
ソーラーパネルの耐久年数を超えるまでにはきちんと元が取れるのでしょうか?
「10年」というのが一般的な基準
太陽光発電システムを一般家庭に取り付ける際、全ての家庭において「必ず10年で元が取れますよ」とは言えません。
これは個々の家庭によって、発電量に違いがあったり、取り付けたパネルのメーカーによって価格に違いがあることによります。
ただ、あまりに高値のパネルをあまり日照を受けられない家に取り付けるというような特殊な場合を除けば、大体は10年で元が取れるように計算をして取り付けるのが通常です。
また、ソーラーパネルの耐久年数はおおよそ10年以上~20年未満なので、元を取った後も、きちんとメンテナンスをしていれば、何年かは売電などで純粋に利益分が出てくる計算になります。
元を取ることを考えるために押さえておきたいポイント
パネルの価格と工事費などを「初期投資」費用を全て込みで「10年以内」に費用が回収できるか
現状、売電価格と言うのは10年は保証されていますが、それでも毎年売電価格は下がり続けています。
つまり、年が下れば下るほど、売電価格が下がっていくことになるのです。(2015年度の電気の買い取り価格は33円~35円でした)
1kwhあたりの費用が高くなればなるほど、元を取るのは難しくなるので、発電量と使用する電気、売電できる量をしっかりシミュレーションすることが大切です。
発電環境を見極めておく
とても発電量の高い、高価なパネルを付けたとしても、取り付ける場所のそもそも太陽が当たらなければ発電はできません。
北向きの屋根に取り付けるとか、積雪時期が長い、日陰であるという場所はソーラーパネルの設置には向いていません。
夢見るだけではなく、冷静に分析をすることが大事です。
昼間にあまり電気を使わない家庭であること
太陽がしっかり当たる家であっても、在宅している人が多く、昼間に電気を使う機会の多い家庭では「売電」の量は減ります。
早く元を取るようにするためには、売電がより多くできることがポイントなので、昼間に発電した電気を使う機会の多い家庭は元を取るまでの期間が長くなります。
(ただ、早く初期費用を回収できなくても、月々の電気代が減ることに意義を見出しているならこの限りではありません)
自治体から補助金は受けられる?
初期投資費用が変わってくるポイントに「自治体からの補助金の有無」があります。
取り付けに50万円かかっても、補助金が10万円出れば実質の初期投資は40万円で済みますよね。
こうなると初期投資の回収も早くできるのはすぐに察しがつきます。
ただ、残念なことにここ数年でソーラーパネルの普及も広がったことで、自治体によってはソーラーパネルの設置について補助金を設けないことも増えてきました。
こればかりは自治体によって方針が全く異なるので、一概に言うことは難しいですね。
自分が住んでいる自治体で、どのような補助金があるのかは「ソーラーパネルを検討しようかな」の段階で、一度自治体の担当課に尋ねてみることをおすすめします。
というのも、補助金が出る場合も1年間に何度かにわけて「申請の募集」をすることがあるからです。
せっかくソーラーパネルを設置しようと決めたのに、申請に間に合わなくて補助金が受けられなったとなるとちょっと悔しいですよね。
ちなみに大きなくくりで言うと、国からの補助金は2013年には終了しており、それに従って都道府県の補助金も廃止しているところがほとんどですね。
残すところで市区町村単位になるので、国・都道府県・市区町村のそれぞれから補助金が出ていた時期に比べるとどうしてもこうした「お得感」は薄れてきています。
しかし自治体によってはまだ手厚い補助金を考えているところもあるので、やはり早めに聞いておくことが大事です。
ソーラーパネル自身の値段は下がっている
冒頭でも少し触れていますが、ソーラーパネルは一般に普及が広がったこと、また外国製のメーカー参入も増えたことで価格競争が激しくなり、価格はずっと低下し続けています。
このため、高品質のパネルを一時期よりずっとリーズナブルな値段で買うことができるようになっているのですね。
一般家庭へのソーラーパネル設置がピークに達したのは2012年あたりです。
酷暑や2011年の東日本大震災からの「節電・エコ意識の高まり」によってソーラーパネルの設置が増えたのですね。
ただ、当時はソーラーパネルがまだ高価なこともあり、補助金を利用しての設置が多かった頃です。
売電価格も今よりも高く、設置費用が高くても、何とか10年少々で元が取れていました。
現状(2016年2月)時点での主要なメーカーのソーラーパネルのキロワット平均単価は約28万円まで落ちてきました。
ただ幅としては28万円~31万円くらいの幅があるので、メーカーや販売店と交渉する時は上限31万円(キロワット単価)くらいが頭にあるということを伝えておくと良いでしょう。
しかしながら、パネルの単価は下がってきていますが、2013年くらいからは一気に安くなるというより少しずつ、徐々に徐々に下がってきているという緩やかな推移なので、これから先も一気に安くなるということは難しいでしょう。
こうなると、年々下がる売電価格と比較した場合、ソーラーパネルを設置する気持ちがあるなら早めに設置に動いた方が、早めに元が取れると言えます。
売電価格も下がっている
先に少し触れていますが、家庭で発電した電気と言うのは余剰分・全量、いずれも売電することができます。
しかし、売電価格は年々下がってきているので、設置を考えているのであれば早めに検討開始することがおすすめです。
平成27年度からは余剰売電は管轄電力会社によって価格が異なり、全量売電は4月と7月に2回引き下げが行われるようになりました。
また、今年度は「電気の小売り」も始まるので、今までの大手電力会社だけでなく、民間他社が電力の販売に介入できるようになっています。
こうした電力業界の動きから、売電価格はこれからも上下に変わることが大いに予想されますし、いつまで売電価格の保証がなされるかも不透明です。
きちんと余剰電力などの販売に保証を持たせたいのであれば、早めに動くことや、販売店・電力会社に相談をしてみることが重要になります。